【お芝居について】
プロローグから「ザッツ★タカラヅカ!」
出来の善し悪しじゃなくて、まさに宝塚を見たこと無かった頃の私が 想像してたとおりの宝塚作品でした。ベルばらみて衝撃を受けた人は同じものが見れるチャンスですよ!ただ、ばらじゃなくて百合モチーフなのは「アンリーさんはキリストのように偉大な人だ」という表現からだそうです。なるほどね。
主題曲の繰り返しが印象的。これも古典的ですよね。最近は曲も装置も多い方が良いみたいな主張を良く聞きますが、私はこれ好きです。
怒りも悲しみも苦しみも、それを昇華させる瞬間も 全部があの「ソルーフェ リーノー♪」に込められていて、言葉でなんだかんだと言われるよりやっぱりずっと好きです。
それだけに終盤近くで歌われる「花雪」は唐突な印象を受けました。ファンとしては嬉しい贈り物だけど、お芝居にはどうなのかな。退団とかしがらみのない人の意見が聞きたいです。
曲つながりでアヴェマリアの話を。
透水さらささんのソロがもう本当に素敵で文句のつけようがない感動してくださいシーン… な の で す が 。
どうしてか初見時に 「イタリア兵とオーストリア兵が 心をひとつにして歌うアヴェマリアは、果たしてシューベルトで良いのだろうか?」と、引っかかってしまったのです。
これを言い出すと、そもそも彼らを何語でしゃべってるんだ理論が出てきちゃいますからね、突きませんが。でも、音楽とか信仰って似ていても国ごとに違うと難しいものじゃないんだろうかなー。
そんな話を友達にしまくっていたら、シューベルトのアヴェマリアは世俗曲なんだそうで。流行に敏感な透水@コゼット看護婦なら「歌えるわよ」なのだとか。シューベルトの作曲が1825年でソルフェリーノの戦いが1959年。…流行に、敏感?か、なー??
お話の内容としてもすごく単純明快。
「ハイ、問題提示しますよー」
「ハイ、ここで泣きますよー」
「ハイ、前場面との対比を見てくださいねー」
と、見せ方もいちいち正しくて、道徳の教科書のようだという意見がいちばんしっくり来ました。正しいの!ヅカファンからは「植田先生wwww」と言われようが、脚本演出力のある方だと思います。御年80歳といくつとか。現役であることがすごいです。ボンが回らなくたって良いじゃない。セリの存在なんか忘れたら良いじゃない。新しいものを取り入れるとか伸びしろとか そういうものは若手に任せましょうよ、と。
私はあの規模の書き割りを作る技術の方がさり気にすごいと思います。あのウソ遠近法はどこでパースをとって作るんですか?
そんな内容だけに役者の芝居次第で、憎しみが強い日、悲しみが強い日などなど何度見てもなかなか新鮮に見えます。時々行きすぎてみんなで夜の稲妻(←前々公演「ZORRO」より)になってるのはちょっと苦笑。舞台で役者が毎回マジ泣きするのもどうかと思う派なんで、みんながイッちゃってる日に限って妙にクールに見える(ような気がする)彩那音さんが好きだったりもします。
アンリさんの発想や行動についても 、赤十字が運営されてるんだからリアルな話なんだろうけど、どう考えても私にしたらファンタジー!
なので、基本的な意識はポルリノ@音月桂さん寄り派です。あれは納得いかないよねー。初見ではただ苛立って怒ってるだけに見えたポルリノさんも、最近は静かな怒りというかちょっとダーティな感じで良いかもと思ってます。顔半分に影落としながら…ニヤッと笑ったりすると随分と私の好みではあります。
どうでも良い余談なんですが
水夏希さんが雪トップの就任が決まった年の水夏希さんの誕生日に合わせて当時のミクシーの水コミュの面子でオフ会をやったんですが、その時に「チカさんの白衣+眼鏡が見たい!血痕もあれば更に良い!!」と言う話をしたことを鮮明に思い出した公演でした。結局、それを着ていたのは彩吹真央さんですがね。でも満足。
どうでも良い余談なんですが2
お芝居最後で彩吹さん演じるエクトール先生は、設備充実とかそういう陳情をするためにアンリーさん達とは別便で旅立つ前という設定らしい(ゆみこさんお茶会談)のですが、そうするとあの野戦病院にはまゆちゃん先生とみうと先生しか医師がいない状態になるんですよね。すっごく恐いなぁ、と思ってしまうわけですよ。
【ショーについて】
つかみが弱いです。主題が複雑なのかな、印象に残らない感じがしました。舞台のあちこちで同時に発生する小ネタが細かすぎて追い切れない。そして、中詰めがない。ヅカファンがテンプレートのショーのつもりで見ると高速で置いて行かれます(笑)
が、全体的な雰囲気は好きですよ。見れば見るほど好きになります。小ネタも終えるようになる何回観ても足りないことに気づき始めて青ざめます。
稲葉先生は演出家の荻田氏が好きなのかな、と。雰囲気や色遣いに荻田先生の「タランテラ!」を感じました。私の耳は冒頭のゴンドラの唄が途中からメメントモリにチェンジされそうになります。「かーるーねーう゛ぁーあーれが あさひのかーなたー」「よーるのみなーもーへ、ふね、こぎーだーせばー」って感じ。
全体的に、退団される二番手・彩吹さんが1.5番手扱いなのがうれしいですね。ゆみこさんが嬉しい+そうしてくれた演出家の先生の心遣いが嬉しい+それを当然に受け入れている雪組の組子の気持ちが嬉しい。トリプル嬉しいです。背負い羽根は金クジャクだし。もう滝も付けちゃえばいいじゃない。ゆみこ隊はまたメールで要望出せばいいじゃない(笑)。
場面として一番好きなのは「深夜」。
ダンスカップル本当に好き。朝海&舞風コンビは重みのない妖精みたいなダンサーだったけど、水&愛原はしっかりがっちり筋肉と鍛練を感じられる実践ダンサーな印象です。もう大好物。このシーンのみなこちゃんは、水面に映った冷たい月なイメージです。勝手に。空の月を見上げれば天に昇れたけど、魅せられたのは月の影だったから沈んで行く訳で。みなこのキレイに伸びた腕が月光のようで。本当にキレイ。
灰の水曜も好きです。ボロボロ泣く場面なので好きっていうと違うかも知れないけど。歌詞も良いし、雪みたいに紙吹雪が舞うのにも、ぐっと来ます。
そしてここはカゲソロがキレイに入るんです。誰かと思ったら、まさかの彩風咲奈さん。ここでくるのか93期!!この期は活躍目覚ましいですね。新公主演も頑張って欲しいです。東京は観に行きます♪
忙しいのは「黄昏」。
水さんと彩吹さんのカフェダンス対決はモチロン目を離せないんですが、同じ舞台で起こってる彩那&愛加のラブロマンスが気になってしょうがない。
彩那音さん…全公演のクララちゃんといい、何かと私の心を鷲掴みです。この場面、現地の人と観光客って意識して分けたのか、彩那さんの碧眼メイクがすっごいツボです(青いシャドウを目の横に特徴的に入れると碧眼っぽい雰囲気になると言う伝統的(笑)なメイク)。1階センター奥に座ったらチャンスです。トップさん達の肩越しに、緒月&花帆コンビに引き合わせられて初々しい恋が花開いてますから!
【総評】
奇を衒ったことが全くない芝居はまさに宝塚古典の正統派
ベルばらの台詞回しが大丈夫な人は良いと思います
考えるな!感じるんだ!って感じかな…まあ、いつもどおりか
ショーは回数重ねて色々見つけるのが楽しいです
が、トップファンは絶対目が離せない場面が多すぎて
視野を広げるのには本当に本当に苦労します
稲葉先生自体には伸びしろを感じるので
こういうのが「オギーっぽい」じゃなくて
先生自身のカラーになっていくと良いですね